池田温泉旅館「たち川」が突然の閉鎖の報道に驚いた人も多いのではないでしょうか。
1泊4〜5万円の高級旅館として人気を集めていた「たち川」に何があったのでしょうか。
実は、給料未払い・未納金・町からの督促状など、さまざまな問題が進行していました。
この記事では、旅館たち川の夜逃げに至るまでの経緯と、その真相を解説します。
池田温泉旅館たち川が夜逃げで閉鎖!
—「池田温泉旅館 たち川」は、夜逃げしたんでしょうか?
— NEWSポストセブン (@news_postseven) August 2, 2025
「私も朝来てこんな張り紙がしてあったんで、もうびっくりしたんです」(支配人)
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「寝耳に水で、どうしていくか…」
岐阜の名湯・池田温泉「高級旅館」運営会社が“夜逃げ”… pic.twitter.com/6dqw7wXrme
岐阜県の人気温泉地「池田温泉」で起きた衝撃の出来事、それが旅館たち川の突然の閉鎖と夜逃げです。
地元住民も観光客も驚いたこのニュースには、見えないところで進んでいた経営問題や計画的な動きがあったようです。
ここではまず、旅館たち川が夜逃げした当日の様子とその現場で目撃された驚きのシーンを詳しく解説していきます。
夜逃げしたのはいつ?
旅館たち川が夜逃げを決行したのは、2025年7月30日の夜のことでした。
その日は定休日だったにもかかわらず、旅館には明かりが灯っており、中では慌ただしく荷物を運び出す男性の姿が。
その人物が、株式会社たち川のオーナーであり、旅館の運営責任者でもあるA氏だったのです。
A氏は段ボールを次々と軽トラックとバンに積み込んでおり、まるで計画された引越し作業のようだったと目撃者は語ります。
そこへ取材に訪れた記者が声をかけたところ、同伴していた弁護士が次のように発言しました。
「もういいんじゃないですか?終わるんだから」
この一言が、旅館たち川が営業終了=夜逃げする瞬間だったことを物語っていました。
次は、この旅館がなぜ「高級旅館」として人気があったのか、その背景を見ていきます。
もともとは人気旅館だった?
池田温泉旅館たち川は、町が運営する「池田温泉 新館」の2〜3階部分を、株式会社たち川が2019年に委託される形でオープンしました。
その際、施設は大幅にリニューアルされ、次のような設備が導入されました。
- 全室に部屋風呂を完備
- マイクロバブル炭酸装置を設置
- 1人あたり1泊4〜5万円の高級価格設定
- 夕食・朝食付きの豪華プラン
- SNSでも話題の人気ランキング上位宿
さらに、オーナーA氏は以下のようなグループ展開にも力を入れていました。
- 高級食パンの販売店を開業
- 喫茶店の運営を開始
- 宿泊客にパンを提供するスタイルも展開
一見順調そうに見えたこの旅館経営ですが、実際は内部でじわじわと経営が悪化していたのです。
次の見出しでは、なぜ「夜逃げ」にまで発展したのか、その理由に深く迫っていきます。
池田温泉旅館たち川の夜逃げ・閉鎖の理由はなぜ?
まず、運営を担っていた「株式会社たち川」は2019年から新館の2〜3階部分の管理を町から委託されていました。
当初は設備のグレードアップで人気を集めたものの、徐々に次のような兆候が見られるようになったそうです。
- 従業員の人手不足売上に見合わない高コストな運営
- 予約数は好調でも利益が伸び悩み
- パン屋・喫茶店など多角経営による資金分散
- 社内での情報共有不足や経営判断の遅れ
特に、オーナーが別事業にも力を入れていたことが、旅館経営における足元の弱さにつながっていた可能性が高いです。
このようにして、華やかな表の顔と、綻びだらけの裏側のギャップが大きくなっていったのです。
次では、経営悪化がどのように夜逃げへと発展していったのかを詳しく見ていきます。
計画的撤退の可能性
今回の夜逃げは、単なる逃亡というより、計画的な撤退だった可能性が指摘されています。
その理由として、以下のような状況が重なっていました。
- 町から「未納金228万円」の督促状が届いていた
- 従業員への給料支払いが一部滞っていた
- 一部スタッフが「閉鎖されることを知らされていなかった」
- 定休日の夜に、オーナー自らが荷物を運び出した
- 同行していた弁護士が報道対応を遮断していた
弁護士を同行していたことからも、何らかの撤退シナリオが事前に練られていた可能性があります。
従業員たちが「何の前触れもなく閉鎖された」と感じるほど急な決断だった一方で、オーナー側は冷静に荷物の運び出しをしていたという証言も。
こうした点から、「経営破綻→夜逃げ」ではなく、「損失を最小限にして静かに退場する」ような、ある種の戦略的撤退とも捉えられます。
次の見出しでは、給料未払いの実態や町が出した督促状の内容について、さらに詳しく迫っていきます。
給料未払い・督促状の真相は?
給料未払いはいつから?
夜逃げが発覚する前から、旅館内ではスタッフへの給料遅延が起きていたと報じられています。
特に2025年7月時点で働いていた従業員の証言では、次のような声が挙がっていました。
- 「給与が期日に振り込まれないことが何度かあった」
- 「給料の遅延が説明されず、連絡もなかった」
- 「旅館が閉まった後に、ようやく自分たちが置いてけぼりだと知った」
こうした対応の不誠実さに対して、従業員の不満は強く、SNSでも一部スタッフによる投稿が拡散されていました。
また、旅館の運営母体である「株式会社たち川」が多角経営を行っていたことも、資金繰りの悪化に拍車をかけていたと考えられます。
給与遅延は経営崩壊のサインとも言われており、内部ではすでに限界を迎えていた可能性が高いです。
では、町が発行した督促状とはどんな内容だったのでしょうか?
町が発行した「228万円」の督促状とは?
池田町は、旅館の運営を「株式会社たち川」に委託していました。
その契約内容には、施設利用に関する使用料や管理費などの支払い義務が含まれており、それが滞っていたことがわかっています。
町が出した督促状のポイントは次の通りです。
- 金額はおよそ228万円
- 内訳は施設使用料や委託契約に基づく費用
- 複数回の催告を経ても支払いが確認できず
- 書面での正式な督促がなされたのは夜逃げ直前
さらに問題なのは、オーナー側から町への返答や交渉がほとんどなかった点です。
町も「寝耳に水」のような状態で閉鎖を知り、観光施設の一部が突然機能不全に陥るという異常事態に直面しました。
このように、給料未払いと町への債務不履行という二重の金銭トラブルが、旅館「たち川」の信用と経営を同時に崩壊させていったのです。
Q&A
まとめ
今回の記事ポイントを以下にまとめます。
- 池田温泉旅館たち川は2025年7月30日の夜、突然の閉鎖とともに夜逃げ状態に
- 経営者本人が荷物を運び出す現場に弁護士も同行し、計画的な撤退だった可能性が高い
- 同旅館は1泊4〜5万円の高級旅館として知られ、全室に部屋風呂を完備し人気を集めていた
- 多角経営の影響で経営状態が悪化し、給料未払いなどの問題も発生していた
- 町からは228万円の未納に対して正式な督促状が発行され、行政側も困惑する事態に
- 再開の見通しは立っておらず、地域の観光業にも影響が広がる可能性あり
今後の展開に注目です。